「さっきからお姉さんの部屋きにしてるね」
「当たり前だろ。優衣がいるんだから」
「またそんなはっきり...」





リオには悪いが俺はリオが大嫌いだ。
優衣を傷つけ、その傷をえぐり...
それを利用して俺を縛り付けてる。





「春姉、ありがとね」
「いえいえ。またきな?」
「うん」
廊下から聞こえてきた二人の会話。
優衣、また来るのか。
俺に会いに来なくなった今、それは俺にとって最もありがたい。





「涼、手出さないの?」
「ん?」
「あたし女だし」
「優衣以外女じゃねーよ」





かっこつけたって、それを優衣に言えないんだから意味ない。
リオにどうこう言う資格はない。





「涼ーごはんーー」
おふくろがよんでいる。
「いくか」
「やばい、緊張する。」
リオが真剣な顔でつぶやいた。
「大丈夫だよ。おふくろは優衣以外の女に無関心だから」




「それ逆につらい」
リオはややうつむいてリビングに入った。





「あら、こんばんは」
「こんばんは!涼くんとお付き合いしています。リオです」
頭を下げて自己紹介するリオはかなり緊張してる。
「そんなに緊張しないでー。さ、どうぞ」
俺の心を読み取ったのかおふくろは優しくいった。





「ただいま」
「あら、お父さん。今日は早いのね」
玄関に走っていくおふくろ。
「え、お父さん...?」
「大丈夫。普通だから」





いつもと違うリオ。
きっと...優衣のこと気にしてる。
ここでは優衣は家族みたいなものだから。
うまくなじめるか心配してる。
また優衣に負けるのを、拒んでる。





でも、リオ...。
お前は優衣には何一つ勝てない。