「涼、教科書厚いね」
「うん」
優衣の不思議発言にももう慣れた。
「涼、千夏がねーあの子可愛いって♪」
優衣が指さしたのは、男子に結構騒がれている子。
確か大谷ミミちゃん、かな?



「かわいいよねー?」
上目づかいで俺を見る優衣。
「そーだね」
優衣のが可愛いけど...
「あれー?涼はああいうのがタイプだっけー?」
にやりと笑う千夏。


やっぱり来た。
「俺はもうちょいほんわかした子のがタイプだわ...」
「だよねーーーー?それって優衣みたいな~?」
何言ってやがる‼
優衣が気づいたらどうすんだよ?


「えー?あたしほんわかしてる?」
優衣、天然でいてくれてありがとう‼
優衣の天然に生まれて初めて感謝。


「優衣ちゃん、アドレス教えてよ」
優衣に話しかけてきたのは、遊び人で有名の神崎。
「えっと...誰?」
「うわ...俺のこと知らない?」
「うん。ごめんねー興味ないや」



優衣きつッ‼‼
神崎に同情するぜ...
「優衣、帰るぞ?」
「あ、うん♪」


なんだこの態度の変わりよう...
幼なじみ万歳‼‼
「あれ誰だろうね?」
「神崎ナオ」
「涼知ってるの?」
「あぁ、有名なんだよ」



優衣はいたって興味なさそうだ。
「優衣、涼‼‼」
「千夏、どうしたの?」
「このあと暇?」
『うん』
俺と優衣の声がはもった。


「翔があそぼって♪」
翔とは千夏の彼氏で、俺の親友。
一人、違う学校に進学した。
「翔?久しぶりじゃない?」
優衣が嬉しそうにほほ笑む。