家についてシャワーを浴びた。
なんか...もう嫌なんだ。
洗ってもこの傷は消えない。
泣いても、この現実は消えない。
でも涙ってかってにでるんだよ。
「涼...千夏...ごめんっっ」
涙は枯れないのかな?
もうどれくらい泣いたかな?
あたし、一人でがんばれるかな?
コンコンコン...
このノックは、涼。
「なに?」
「入っていい?」
「うん」
傷が見えないように布団をかぶる。
「優衣?喧嘩したんだって?」
「あ、うん」
「いたかったろ?大丈夫か?」
「へ...いき。ごめんね」
涙声を隠すために、音楽のボリュームをあげた。
そんなこと、涼には気づかれてたのかな?
「ほんとに大丈夫なのか?」
優しい声にまた涙があふれる。
「へ...いきっ...」
「泣いてるやつが平気なわけねーだろ」
少し低くなった声。
「あたしねるね。」
「優衣...」
涼、ごめん。
言えないよ...心配迷惑...もうかけすぎたよ。
あたし強くなるから。
一人でも、平気だから。
もう泣かないよ。
これで最後の涙。

