俺たちはまだ16歳で、できることの方が少ない。
いつもそばにいることしかできなくて。
君の笑顔をつくることすらできなかった。
君は幸せだったの...?





俺は初めて優衣を抱いた。
優衣のすべてを愛して、優衣のすべてをしった。
優衣は嬉しそうに微笑んで、涙を流した。





「優衣?」
「ん?」
「どうした?」
優衣は首をかしげる。
「眉間にしわ」
「あ、ちょっと頭痛くて」
まだ風邪治ってないのか?
「大丈夫?」
「うん。ごめんね」
ずっと我慢してたのかな?




「優衣、ちょっと寝てろ?俺飯作って来るわ」
「あ、ごめ...あたしつくる」
「いいから寝てろ」
優衣をベッドに寝かして一階におりた。
優衣、まだ風邪なおらないのかな?
病院連れてった方がいいかもな...
なんて考えながら優衣の大好きなオムライスを作る。





「優衣ー飯できた」
「はぁい♪ありがとー」
嬉しそうに階段を下りてくる優衣。
「危ない!こける!前見ろッ」
焦る俺にへへっとお得意の笑顔。
「はぁ...」
とため息をつきながらも笑ってしまう俺はとことん優衣に甘い。