一瞬驚いた顔をした詩音。
「そうなんですか!頑張ってください!応援してます」
「「ありがとう」」
じゃあ、とみんなに軽く挨拶をしてユイの手を引く。


「あ、お疲れ様です!」
あわてて俺のあとを追うユイ。
スタジオから出て俺らは涼と優衣に戻る。



「おつかれ」
「涼もね♪」
ここが俺らのほんとの仕事の終わり。
「かえろっか」
「だな」


ギュッと俺の手を握る優衣。
「どうした?」
「涼が詩音に優しかったから...」
やきもち妬いたって事でしょうか?





「へ?」
俺は驚いて優衣の顔を見る。
「あ、ごめ...こんなことで妬かなくていいよね。」
優衣は焦って笑顔を作る。
へたくそな作り笑い。
今にも泣きそうな...表情。
死ぬほど愛しい...





「優衣、俺嬉しいよ。今まで俺ばっかり妬いてたし?」
「え...」
驚いて顔を上げる優衣の目には涙がたまってる。


「嫉妬するってことは俺が好きってことだろ?俺嬉しいよ」
「涼...」
あふれそうだった涙が静かにあふれる。
「こんなことで泣かないの!」
笑いながら優衣の涙をぬぐう。





幸せだったよ、優衣。
だから今も幸せ。




愛してたよ、優衣。
今も君を...愛してる。