優衣の小さな唇にキスを落として俺は立ち上がる。
「涼...」
顔を真っ赤に染めた優衣と目があう。
「HR始まる」
「う、うん」
優衣は静かに俺の手を握る。
「涼、ありがとう。嬉しかった」





そんな可愛いこと言わないでいただきたい。
俺だって男だし...
我慢してるわけで...。
そんなことお構いなしの優衣。
まぁその方が優衣らしくていいか。




「あ、お帰りー」
「「ただいま」」
つないでた手を静かに離す。
優衣は普通ににこにこしてて、きっと俺の愛が伝わってる。
この上ないぐらい俺は優衣を愛してるから。





「優衣、今日学校終わったらデート行くぞ」
「うん!」
耳元で静かにささやくと少し照れる優衣。
「行きたいとこ考えてて」
わざと耳に唇を当てる。
「ひゃっ!涼っ...」
涙目で俺を見上げる優衣。
ヤベ...何かぐっときた。





「涼ー!これ!」
「あー、今いく!」
優衣の頭をなでて、友達のもとへむかう。
露骨にほっとした顔する優衣。
「ぷっ...」
優衣可愛すぎ...。




そのあとも優衣をいじめまくって放課後になった。
「優衣、どこ行きたいか考えた?」
「あたし、見たい映画があるんだ!」
「じゃ、見に行くか!」
「うん♪」
校門をくぐれば恋人の二人。
優衣の手を静かに握る。
「あ...」
「ん?」
「ううん」




小さな声を漏らして顔を赤くする。
「もう...優衣マジだめ」
「へ?」
また出た!上目づかい!
「可愛すぎて...俺やばい」
「なに...いって...」
優衣の顔がもっと赤く染まる。




「ほら!何見たいの?」
「あ、これ♪」
マリン主演...。
「『君のすべてに』?」
恋愛ものですか。
まぁ優衣が見たいならなんでも見るけど。