「あたしが...殺した...」
「優衣!!!」
「...ふぇ??」
「お、おはよ」
「あれ?涼...夢?」
優衣の目にはまだ涙がたまってる。
何かにおびえるように震える唇。
「おこしに来たんだよ」
「あ、ごめん。って何時?」
「10時20分」
「きゃーーー!」
あわてて用意を始める優衣。
急がなくても優衣が寝坊することぐらいわかってるだろう。
あたしが...殺した...
優衣は間違いなくそういった。
「優衣、明日から学校だな」
「うん。だね!」
優衣は俺がいることおかまいなしに着替える。
俺は静かに後ろを向く。
優衣、お前もあの夢を見てたのか?
また自分を責めていたのか?
「終わった!涼。いこ!」
「うん」
優衣、その笑顔はほんものなのか?
優衣...無理してるんじゃないのか?
「千夏ーー!」
「優衣、おっそい!」
「ごめんなさーい!」
久し振りに会うのか、はしゃいでる二人。
「翔、久し振り」
「あぁ」
「今日、墓参りいくだろ?」
「あぁ。4人集まったしな」
優衣は無理をして笑うだろうな。
優衣は弱いくせに強がり。
誰も見抜けないような作り笑いをする。
あの日から...。
「どこ行くー?」
「あたし水族館いきたい!」
「はいよー」
優衣は今日も作り笑い。
俺がわからないとでもおもってるんだろうか。
目的地につくころ、優衣はいつもの笑顔だった。

