心の何処かでそう感じていた。

自分が死ぬ前に「あぁ、自分は死んでしまうんやな」と分かるように、あたしも消えてしまうのだと、実感してしまった。


もう、神様に抵抗なんて出来ない。





奈美「祐介、あたし祐介と出逢えて良かった」

祐介「何なん、改めて(笑)」

奈美「改めて思ったんよ、ほんまにほんまに、幸せ」

祐介「僕も奈美に負けへんぐらい幸せや、あの時に出逢えたのが僕でほんまに良かった」





このまま祐介に出逢えなくなってしまったとしても。

あたしはこの世から消えて祐介の記憶から消えてしまったとしても。

ずっとずっと、祐介を愛し続けたい。


この絆は消えないと、そう信じたい。





奈美「あたし思うねん、この広い世界で沢山の人の中で、祐介と出逢えたことは運命に近い奇跡なんやって」

祐介「奇跡、やな」

奈美「奇跡に近い運命やなくて、運命に近い奇跡。こんな奇跡が起きたあたしは、ほんまに幸せものやと思う」

祐介「そうやな…」

奈美「ほんまに祐介には感謝してるよ、あの時あたしを見つけてくれて」





あかん、泣きそう。
こんなこと言うはずやなかったのに、口が勝手に動いて次々に言葉を発してしまう。

本当にお別れみたいで、辛くなる。


祐介はあたしの異変に気付いてないよね?

気付いてない方が、祐介の為でもあるもんね。



心臓辺りが傷み始めた。

話すこともだんだん辛くなり始める。





奈美「だから祐介にはお礼が言いたくて…」





立ち上がって目の前のブランコに乗る。

涙が流れそうになって、まともに話せないと思ったから。


ブランコに乗りながら祐介を見て笑顔を浮かべた。
それに答えるように祐介も笑う。