携帯が震える。
着信『母』
…………――。。
何か
何か
あったのだろうか――――?
恐る恐る通話ボタンを押す。
『もしもし?』
電話のむこうで喋ってる
声が…………――
声が…………――
震えている。。
『彩香?彩香?あのね………―』
それ以上 何も言わないで。
邪魔しないで。
お願い
お願い
お願いだからっ。
『お父さんが…………――』
声がさらに震える。
無理、言わないで。
壊さないで
この瞬間(トキ)を!!!
『事故に…………――』
嘘だっ。
認めない。私は…………――
私は…………――
『巻き込まれたって…………―』
…………――闇深く
私は落とされた底に。。
その次の言葉ははいってこない。
きこえない…………――
いや
ききたくなかった…………――
頬を生暖かいモノが伝った。

