こっちの都合は完全に無視されているけど、迷いのない真っ直ぐな言葉が彼らしいと思った。

(それに…………)

「私も。黒崎君に会って、話がしたいの」

一瞬、間が空いたけれどすぐに、そっか、と安心した返事が返ってきた。

『鈴木、今どこ?』

「えっと今街にいる…」

『街?んじゃ、高校の近くに公園があるだろ?そこで会わないか?」

通っていた高校の近くには小さな公園がある。私の帰り道の方向がそっちだったので、たまに近所に住む小さい子達が遊んでいるのを見ることがあった。

「うん。それじゃ、また後で」

静かに電源ボタンを押す。

私は後ろにいる聖二君に振り向いて、口を開いたけど、聖二君がいってらっしゃい、と先に口を開いて言った。

私はすぐに走って公園までの道を急いだ。