その後もしばらく話をして、夕日が暮れはじめた頃に裕子と別れた。

家に帰り、誰もいない部屋にただいま、と呟いた。一人暮らしをして大分経つが、これだけは中々治らない。


前に母親が来たとき話したら、面白そうに顔をニヤケさせて、

「じぁ、一緒に住んであげようか?」

と言われたが、即答でお断りさせてもらった。

簡単に夕飯を済ませた私は、シャンプーを切らせていたのを思い出し、近くのスーパーに行った。







「あ。」

「はっ!?」

予想外の人物と遭遇してしまった。

(き、気まずっ!!!)


今私の目の前にいるのは、昨夜告白してきた、

「黒崎君…」

「何してんだ?」

本人は昨日の事など無かったように話してくる。

「シャンプー、切らせて、て…。黒崎君は?」

「俺は妹に買い物頼まれてさ。ったく、自分で動けってーの」

ブツブツ言いながら、黒崎君はカゴに商品を入れていく。