「よ!待たせてごめんごめん!」

と10分ぐらいで武井達が来た。
早くないか?と思っていたら二人ともうっすらと汗をかいている。

「そんなに走ってくる程必死だったんですかー?」
と武井をイジってみた。
「なっ、いや、あいつらから逃げてきたからだって」
「本当はそれだけじゃないよね〜。」
と何となく雰囲気を察した久住までもが加担してきた。
やっぱり久住も結構くせ者かもしれない。

「なんだよ…お前らさ〜何が言いたいんだよ」
と武井が焦り出したのでもっとからかってやろうと思ったら、美知子が私の制服の裾を引っ張って、辞めてと合図してきたので、取り合えず!止めておいた。

「ま、いいや。昨日の喫茶店探しても見つからないんだ。だから一緒に探してほしいんだけど。」

「う〜ん、この辺なのはこの辺だよね」

「丸福ビルの方じゃなかったか?」

「そこに行ったけど、なかったよぉ」

「おかしくね?だって丸福ビルってのは俺覚えてるし」
と心なしか美知子に答えた武井の頬が赤い気がした。

今までの周りの子達といる時とは違うあの対応は照れ隠しだったのかもしれないと今さらながら気付いたのだった。
私も鈍いな。

「なんで、またあの喫茶店を探してるの?」と久住が聞くので、一から説明するのは面倒なので、返したいものがあるとだけ簡単に説明しといた。

久住もそれ以上聞く事もなく、協力してくれた。

だけども、やっぱり四人になって探しても、喫茶店に行く事はできなかった。



喫茶店探しで、もうお昼の時間(お昼は各自でとる)になってしまったので、ファミレスにでも行こうと、今度はファミレス探しになった。