「おはよ〜!朝ですよぉ〜!」

「ん〜…〜…」

「はんなっ!」

美知子が大声出して、私の上に馬乗りになる。
低血圧の私はめっきり朝が弱い。
頭は覚醒しつつあっても身体が動かない。

美知子と格闘してかれこれ20分経っていたので、美知子が半ベソになりだした。
あ、美知子が…と思うとようやく私は起きる事が出来たのだった。
「お…はょ…」

「やっとおぎだぁ〜(涙)」

「ごめんごめん……はぁ〜あわぁ〜」
と大きな欠伸が出た。




朝食後は、また観光だ。
バスの移動の際はナベ先生のナベコンサートで盛り上がるだろうと考えていたら自然と顔がニヤけてくる。

ニヤニヤしてる所に武井と久住がやってきた。
「お〜はんな〜何笑ってるんだ〜、お前、昨日やらかしただろ〜」
と今度は武井がニヤニヤする。

「…別に何だっていいじゃん、色々あったんだって」

「何色々あったの?」
と久住が微笑を浮かべながら聞いてくる。
その微笑が心なしか意地が悪い気がした。
もしかしたら久住みたいなタイプが、案外タチ悪そうだなぁと考えながら、昨日の露天風呂の件をかい摘まんで話してみた。

「へぇ〜、ホテルの見取り図にはどこかに繋がっているような所書いてなかったよね、確かにちょっと気になる所ではあるよね。」

「よし、久住、今日ここに戻ってきたら探してみようぜ!もしかしたら何かあるかもしんないって!」

「ぇえ〜、何もないと思うんだけどなぁ〜…ねぇ、はんな!」

「いや、今日こそリベンジ!」
と燃えている私を見た美知子はがっくり肩を落としていた。

実は美知子は虫が大の苦手で、昨日の露天風呂騒動の件で、私の髪についてきた虫達を見た美知子が私より騒いだので、宥めるのが大変だった。

「南さん意外な一面もあるんだね。」
と意味ありげに久住がくすりと笑う。

どういう意味だ。