それがワタシ

夜遅くなるのを母は心配して
父はたまに怒鳴り付けた

長女だったワタシは
しっかりしなきゃと思って家事も見よう見まねでやってきたし
父は母をよく殴るから、それが恐くて不登校にもなった

家に常に居れば守れるって思ってたんだ

だから 頑張って頑張って頑張って
泣く母を目をそらさないでワタシはずっと見てた

そして 憎しみを父にむけた
父を恨んだ
たくさん恨んで いつか絶対仕返ししてやろうと思ってた





だけど ワタシは見てしまった





ふと、ワタシは夜中に起きてしまった

いつも以上に強く雨が降る夜のこと。

母は泣いていた
父は頭をかかえていた

12歳のワタシでもわかるくらいどんよりした空気だった

表情 色 景色全て焼き付いて今でも消えてくれない。





ワタシは寝たフリをした
薄目で状況を確認しながら…