店長が出ていってから、歩は笑いながら先生にお礼を言った。




「先生、あたし愛されてたの気付かなかっただけみたい。先生のおかげで知れたんだよ。ありがとう。」



「礼なんて言うな。当たり前のことしただけだし……、」




先生はしばらく沈黙し、顔を真っ赤に染めながら続けた。




「黒瀬のこと護りたかった。アイツらムカついた。自分が良ければいいみたいな感じで綺麗事ばっか言って。黒瀬は傷付いてるのになって。」