「でもね! 今の歌、すっごく感動したよ。やっぱりボーカルは恋美にしてほしい!」 歩ちゃんはキラキラ目を光らせた。 「でも、私は人前じゃ…」 「なら練習しようぜ!」 えっ? 今度は城戸くんが私の近くに来た。 「学園祭までまだ時間がある。だから練習して人前で歌えるようにさ。…大丈夫だから」 そう言いきった城戸くんの目は真剣で優しかった 「私…やってみたい」 私はきゅっと手を握り締めた。