「綺麗…」 いろんな道具が並んでいる。 これだけカラフルだと壮観だよ。 「はい、どうぞ!」 驚く私の背中を押して歩ちゃんは私を座らせた。 「歩ちゃん、メイクも出来るの?」 「まぁね♪」 歩ちゃんはテキパキと準備をしていく。 私はスッと目を閉じた。 普段、あまりメイクをしないから不思議な感覚がする。 こんな格好もだし、今日だけでも新しいことだらけ。 「――恋美。目開けて」