「和香ちゃん…」


私は一粒の涙が流れた。



和香ちゃんの暖かい声が緊張していた私の心がゆっくり溶かされていく。




「ほら。泣いたらステージが台無しになるでしょ」


「うん…」


私は涙を拭った。



「あ、もうそろそろ時間だよ!行っておいで!」


和香ちゃんがニコッと笑う。



「行ってきます!」


私はその場を走り出した。



あっ!


「和香ちゃん!」



「ん?」