不思議に思っていると 「今日、前に渡した楽譜持ってきている?」 「あっ!」 やっと思い出した。 1年の最後の終業式の日に屋上で楽譜を渡してきた男の子だった。 「うん。持ってるけど…」 なんとなくずっと鞄の中に入れている。 「そうか」 私が言うと城戸くんは安心したように少し笑った。 わぁっ!カッコイイなぁ。 さっき見たのとは全然違って柔らかい感じだった。 「放課後、またあの場所に来て」