すると城戸くんにフイッと目を逸らされた。



どうしたんだろう?



頭の中に?が浮かぶと、あることを思い出した。



「ね、ねぇ城戸くん!」


私は机に置いていた楽譜を取った。



「この曲って名前ないの?」


ずっと思ってた。


今は1曲しかないからわかるんだけど、名前がないのはなんだか寂しい気がする。



そうしたら城戸くんは「あぁ」と言った。


「その曲作ったときにいろいろ出たんだけどいいのがなかったんだ。
恋美、いいのある?」