「原宿に行ったの」


弥生が答えた。



「…原宿に愛里子みたいな人がいるの?」




「日和くん、あまり詳しくないんだ。原宿には甘ロリちゃんやゴスロリちゃん、パンク、サイバー、デコラみたいな奇抜な格好した人が沢山いるんだよ」



「えっ…平日なのに」



「むしろ平日の方が沢山いるかも。休日は一般的な人で混むからね」




「…へぇ」


ポカンと口を開けたまま話を聞く日和。




「愛里子、一緒に写真撮って下さいって言われちゃった」


照れながら報告する愛里子。



「一緒に写真ねぇ…」


つまらなそうに返す日和。



「なぁに、その興味ないって顔は?」


日和の頬をツンツンする愛里子。



「で、撮ったの?」



「撮った!」

喜び溢れる愛里子の表情。




「どーする?愛里子だけが写ってなかったら…」



妖笑を浮かべる日和。




「なんで愛里子が写らないの?愛里子、幽霊じゃないもん」








「でも…妖精だろ」




日和の言葉にムンクの叫び状態で固まる愛里子だった。




「やっ…弥生さん…どーしよ…」

困り果てる愛里子。