「勝手にお家に入っちゃってごめんなさい」
弥生がペコリと頭を下げる。
「いえ…」
何とも言い返せない日和。
「愛里子ちゃんのお部屋、完成したの」
「もう?」
「うん。色々いじっちゃったから、おやつの後に確認してね」
やっぱ、おやつか―
愛里子が紅茶を注ぐ。
「このクッキー、今日買ってきたんだよ」
愛里子がクッキーをひとつ手に取り日和の口へ運ぶ。
思わずアーンと口を開ける日和。
「美味しいでしょ」
愛里子は満足そうに微笑んだ。
「…弥生さん、愛里子連れて買い物なんて、不審がられなかった?」
モグモグしながら問う日和。
「不審?」
「だってこんなバリバリ金髪だし、羽根あるし」
「見た目は全く問題ない場所だから平気だったよ」
「日和、今の質問失礼だよ!愛里子が変みたいじゃん」
またまた口を尖らせる愛里子。
「だって変じゃん」
「変じゃないよ!愛里子みたいな娘が沢山居たんだから!」
愛里子は日和の胸をポカポカ殴る。
「お前みたいな奴が沢山?」
首を傾げる日和。

