君の詩が色褪せても

律壱の熱い叫びだった。










律壱…―






悔し顔から涙を流す律壱。


「あっ……り…い…、泣くなよ…」

戸惑いながら律壱の背を撫でる日和。



「日和…っ」





律壱は日和の腕を引っ張ると力いっぱい抱きしめた。



その行動に事務所の人間も凍り付く。







律壱の腕の中、日和は何も出来ずに、ただうろたえていた。

























「あの井関って記者、あの雑誌を担当するまで週刊ノンフィクションの記者だったみたいですよ」



「…ノンフィクション。あの有ることないことの毒舌記事で有名な?」


「はい。何がノンフィクションなの?って感じのいやらしい週刊誌ですよ」




場所を変え、落ち着いた雰囲気のイタリアンレストランでランチをする日和と律壱、そして事務所の2人。


律壱はあれから何も喋らず、ただ黙々とパスタを頬張っていた。


そんな律壱を気にする日和だか、彼も言葉を失ってしまい、事務所の2人が話すことに耳を傾けていた。




「嫌な思いをさせちゃってごめんね」

そう言って頭を下げるのは時田さん。