なんだよ…
このババァ…―
「いつまでも売れていられると思ったら大間違いよ」
周りの関係者が緊迫する。
「あんたには関係ないだろ」
「心配して言ってあげてるのよ」
「余計なお世話だ」
律壱がそっと日和の拳を握る。
「実際、あなた方の作る作品は短命じゃない。一時的にヒットはするけど長生きはしない…ヒットしてる理由だって…」
「もう、止めろ!」
今度は律壱が立ち上がった。
「美しい友情ね」
「オレの曲は確かに短命で才能もないモンだよ。でも日和の詞はそうじゃない」
「律壱…」
手から伝わる律壱の熱と振動。
こんな律壱…
はじめてだ―
「服部律壱、あなたも過去に捕われて前に進めないミュージシャンよね。過去の傷を舐め合って仕事するなんて、惨めね」
クソ―
「あっ、あの…この話はなかったことに…」
事務所の人間が井関記者と日和たちを引き離す。
クソ―
クソ―
退室させられる出版社側の人間。
その時、
「オレは日和の歌詞が好きなんだ!誰になんと言われようと、日和の詩はオレには世界一なんだ!!」

