そりゃ…
オレだって心配だよ…―
「よく1日我慢したな」
「変態扱いすんな」
まぁ…
愛里子は可愛いから…
自室に逃げたのは確かだけど…―
「愛里子ちゃん、こいつは危険だからオレの部屋に住む?」
「嫌ーっ!!」
からかうつもりで言った律壱に、愛里子はマジ顔で拒否した。
「愛里子は日和と一緒がいいの!」
そう言って彼女は律壱の隣から日和の隣に逃げ込んだ。
「残念だったな律壱」
「……」
誇らしげに笑う日和に返す言葉もない。
「日和…、嫌?」
袖をつまんで上目遣いに問い掛ける愛里子。
……―
「本題に戻ろう」
無理矢理仕切りなおす日和だった。
「本題って?」
「愛里子の記憶のことだよ」
「愛里子ちゃんの記憶を取り戻させれば、帰る場所も分かるってことか」
日和の隣でうなだれる愛里子。
「少しずつでも記憶が戻ってくれたらいいのにな」
愛里子を見つめる律壱。
「断片的にでも思い出してくれりゃ、それを繋ぎ合わせて何か分かるかもしれないし」
「愛里子って名前が漢字なんだら、日本の妖精かな?」

