君の詩が色褪せても

日和はドカッとソファーに座った。


「だって、愛里子が妖精なら帰る場所は人間の家じゃないだろ」


多分―


「そうだよな。ずっとここに居る訳にもいかないし」

律壱も首をひねった。




「愛里子…またひとりにならなきゃいけないの?」


一気に不安な表情に戻る愛里子。


「そっ…そうじゃないよ」

律壱が慌て否定した。
そして愛里子の肩を抱いてゆっくり日和と対面のソファーに座らせる。


「でも、ここに居ちゃいけないんでしょ?」


「日和は美女に見えても中身は野獣だからな…」

呟く律壱にキョトンとする愛里子。


「野獣? 日和も人間じゃないの?」


「違げーよ!」

日和は律壱にクッションを投げ付けた。


「なんだ…つまらないの」



コイツら…
言いたい放題だな―




「オレがいいたいのは、愛里子に早く記憶を取り戻して欲しいってことだよ」


「分かってるよ」


「だったら変なこと言うな。この妖精さんはおそらく純だぞ」

愛里子を指差す日和。


「だからこそ心配してるんじゃんか。お前との2人暮し…」


「……」

日和は変な汗を流す。



愛里子は頭に?を付けながら2人の会話を聞いていた。