「でも、詩は成長したな」
「何か律壱に誉められると怖いんだけど…」
「なんでだよっ」
「昔はダメ出しばっかされてたからさ」
「…あれは詩の内容じゃなくて、お前がマイペース過ぎたからだろ」
ため息をつく律壱とスマイリーな日和。
3年前と同じ。
変わったのは律壱に彼女が出来たことだけだった。
「理恵、元気?」
「人の彼女を呼び捨てにするな」
「気にすんなよ〜」
「気になるよ!」
「でも、律壱もたいしたもんだよな。ファンの娘とできちゃうなんて」
そう言って、意地悪く律壱の肩に肘を乗せる日和。
「……人のことはいいだろ…自分はどうなんだよ?」
「オレは最近、新宿から六本木に移った。次はザギンかなぁ」
「まだキャバと遊んでたか……」
「だって優しくしてくれるし、最近ツンデレな奴とかいて、虐めるのも最高だな」
呆れる律壱。
「恋、しろよ」
「急に真顔になるなよ。…それに…」
それに……ー
オレに恋をする資格はない……ー
「3年前のこと、引きずってるのか?」
「……」
シュンとなる日和。

