君の詩が色褪せても




知らなかった風景が目に飛び込んでくる。



何回も通った道なのに。


いつも、助手席でボーっとしたり爆睡することが、この道を走るときの日課だった。






律壱は昨日、事務所に退職願いを提出し受理されていた。



かるいニュースになってたな…ー




『植杉日和とコンビ解消』


『植杉の真相は?』




不仲説まで出てたな…ー







オレが辞めたら、もっとマスコミが食い付くかな?…ー


















『植杉、服部そろって事務所辞職』



『服部、ソロ活動。植杉は?』



『植杉&服部、事務所に不満』




『天才コンビ、その後の活動』



『植杉、服部、新事務所設立か』




『辞職理由なし。天才コンビの謎の結論』




『植杉日和、キャバ嬢と結婚か?』




『ゴールデンコンビ、コンビ解消の裏側』






やはりマスコミは食い付いてきた。




スポーツ紙を並べる日和。



「何かインパクトねーな」

見出しについて語る日和。


「パッとしないよな」


「……」


「最近のマスコミはつまんねーな」



「オレ、キャバ嬢と結婚はインパクトあると思うぞ」