「愛里子!しっかりしろ!」
「…ひ…日和は…大丈夫?」
「おっ…お前何でバカなことすんだよ…」
声が震え、瞳が潤む日和。
「…だっ…ダメ…なの………」
「えっ…?」
「しっ…死ねない…愛里子は……死ねない…」
「…そんなの、当たり前だろっ!」
「あっ…愛里子が…死んだら………弥生…さんの………こっ恋心が…なくなっちゃぅ………」
「………」
弥生さんの恋心……ー
消える……ー
一瞬、頭が真っ白になる日和。
「そっ…だ!救急車!」
「ダメ…」
「妖精とか、そんなん言ってる場合じゃねーだろ!」
「…どっ……どうしょぅ………」
「愛里子!」
「…弥生さん…の………とこ…帰ら…ないと…っいけない…のに…」
弥生さんの恋心…ー
消すわけには…
いかないの…ー
「…日和…」
一生分の恋心だから…ー
「愛里子!…しっかりしろ!」
でも…
助けずにはいられなかった…ー
日和が…
好きだから……ー
「…ひ…り…」
「愛里子!目、開けろ!」

