布団の中で震える自分の体。

小さい頃から雷が大ッ嫌い。
あの低い不気味な音が苦手だからだ。


『あっ!!』


布団を照らしていた部屋の電気、いや全部の部屋の電気が停電してしまった。

真っ暗の中で一人ぼっちの私。
暗さが余計に恐怖を引き立てる。


『っ!!』


部屋の奥から聞こえた物音に、体が過敏に反応してしまった。
聞き間違いだと思いたかったのに、今度は複数の足音が聞こえた。

まさか、幽霊…!?

確実に私の部屋に近づいている。


『やだやだ!助けて楓!灰希!』


二人の名前を叫ぶと同時に被っていた布団が捲られた。


「「結衣!!」」


聞き覚えのある声に上を見上げると、


『楓…、灰希…』


いるはずの無い二人の姿がそこにあった。