「まじ最悪」
そう言って、あたしは立ち去った。

てか立ち去ろうとした。




けど、がっしり腕を掴まれた。
掴んでる相手は、もちろんアイツ。





「離してくれるかなー?」

不自然なほどの柔らかな口調。
自分で言っといて変な感じがした。


「んー。無理」


・・・・・・・・・・・・・・無理じゃなくて!


「離してって言ってんじゃん!」

「無理。」

「はーなーせー!」

「・・・・・・・・・・そんなに離してほしい?」


━━━━━は?
いきなり何?
そりゃあ
まぁ離してほしいですけど。


「離してほしいけど?」



「じゃあ、あゆからキスして?」


はぁ?????

「無理無理無理無理無理」

無理を連呼しまくったあたし。

「じゃあさ。俺と付き合ってよ。」



選択肢はこの2つ?


「どっちも無理。」
あたしは冷たく突き放す。


「だったらココで抱く♪」



はっ??
何テンション上がってんのよ。



「どれか選んでよ」

満面の笑みのアイツ。



「早く選んでよ
10秒以内に選ばないと抱くよ?」



いやいやいや・・・・・・・
それは困る


「10・・・・9・・・・8」

どんどんカウントがぁ!!!



「・・・5・・・・4・・・・3・・」



「・・・・・・・・・・・キスするから。」


残りわずかで決断した。