「歩。
 ゴメン。嬉しかったけど
 アタシには今好きなひ…」

言い終わらないウチに
さえぎられた。

「あー、知ってるよ。
 結城。結城広人っしょ?」

直球。

そして図星。

何か全身が熱い。

「な、ななな?」

何で知ってる?!


「何で知ってんだよっ!」

「男の勘ってやつかな?」

意味ありげにニヤッと笑う歩。



「・・・うん。そうだよ」

「・・・・・・・そっか!
 協力はしてやんないけど
 応援はしてやるよ」

アタシははにかんだ。


「頑張れよ。
 教師とは言え一人の男なんだし
 俺振ったんだから」

また意地悪く笑う。

「うん。頑張る」