「お腹・・・撫でてっ・・・」

「お前、腹痛いの?」

黙ってコクンと頷く葵。

「・・・ちょ、待ってて」

俺はため息を漏らし、
携帯をいじる。



「今、お前のクラスの奴
 呼んだから。介抱してもらえ」

「・・・み、みなみっ行かないでっ」

俺の脚に縋りつかれた。

「・・・俺もいろいろあんだよ。
 今はかまってる暇ないから」

冷たく言い放つことで
ユウへの想いを貫く思いを改めて感じる。



連絡した、葵のクラスの男は、
やっぱり葵の事が
好きな奴らしく。

「ちょ、大丈夫っ!?どうしたんだ?!」

その男は俺をチラッと見据え、
早く行けば?とでも言うような
目線を送ってきた。


分かってるし。


お前が好きな目の前の女は
とんでもない腹黒女なんだぞ?

あー、男って騙されるもんだよなあ。

俺は極力気をつけよう。