~南side~



「葵」

俺は、葵の名前を呼んだ。


「…ん?」


階段に蹲る葵。

俺はその蹲る彼女の
艶やかな髪を
そっと撫でてやる。

そうしてやることで。

彼女の事を許せる自分が
出来るような気がして。

ユウ以外の、余計なところで
勢力を使いたくない。

コレが俺の一番のモットー。
・・・?
モットーじゃねーか。


「葵、教室戻んねーと。
 本鈴なるぞ」

「・・・南ぃ」

甘ったるい声で
そう呟く彼女。

「何?」

俺はキビキビした表情を浮かべる。