でも、よくよく見るとそんなに怖くないよなぁ。

ただ、真っ黒な人。


このまま、放っておくのも悪いし、先輩と一緒に学校へと向かった。


「先輩」


「はい?」


「先輩って、怖いの好きなんですか?」


「はい。あなたは?」


「大嫌いです」


ショックだったのか、俯いてトボトボと歩き出した。


「どうして…好きなんですか?」


「助けてあげたいんですよ」


助ける?
どうして?

あたしは先輩のコートを少しつかんだ。


「先輩、秋雨先輩のこと…知りませんか?」


「秋雨君ですか。確かサッカー部でキャプテンでしたねぇ」


「はい…秋雨先輩、1ヶ月も休んでるみたいで」