「「美波泣いちゃったよ・・・。私たち、声大きかったかな・・・。」」

ガタッ。

「そんなことないよっ!」

「渡辺っ!!お前なんだ!急に立ち上がって・・・。」

「何でもありませーん!ただ、神崎さんがむかついただけで―す!!」

「はやく座れっ!!」

「はーい。」

「「やっぱ、麻美すごいね!!あんなに堂々と・・・。」」

「「やっぱり、泣いて、男子の同情買いたかっただけぢゃん!ムカツクーっ!!」」

「「そうなのかな・・・?」」

「「絶対そうだって―っ!」」


そんなことないのに・・・。

あたし、なんで、してもないことでこんなに言われなくちゃいけないんだろう??


「ぢゃあ、次!153ページ!!神崎お前読め!!」

「・・・はいっ・・・。」

「先生ー!!神崎なんて人いませんよ!?誰のこと言ってるんですか―?」

「井上っ!お前何言ってるんだ!?神崎美波だよ!お前の斜め後ろの席の!!」

「えっ!だれー??あっ。この、人の彼氏奪った人か・・・。そのくせ、男子の同情買おうとしたり・・・。でも、名前忘れちゃったー!!最低な人だから、‘‘最悪最低さん’’でいくない??」

「井上っ!!お前廊下にたっとれ!」

「はっ!?先生も最低―!!何で、紗希が立たなきゃいけないの?本当のこと言っただけなのにさっ!でもまぁいいか!授業サボれるし、‘‘最悪最低さん’’の顔も、見なくて済むし?」

「井上っ!さっさと行け―っ!」

「分かってますよ―!!うっせーな・・・。」