「……摩耶ちゃん、ありがと」


あたしは礼を言う
決して皮肉なんかじゃない




わざわざ
見せに来てくれた




この動画を見せなければ
あたしと唯月は
こじれたままだったのに









「――…別にっ…先輩のためじゃありません」



初めて余裕をなくした声で
摩耶は叫ぶ



「好きよ、あなたのそういうとこ」