廊下で、川島先輩はあたしに向かって言った。


「アンタのせいで……弘介と別れることになったんだから!」


目の前には、ヒステリックになった川島先輩。


どういうこと…?


「寝取ったんでしょ!?サイッテーね!!」


そう言い捨て、川島先輩は去って行った。


あたしが、寝取った…?


広田先輩のコトは、好きじゃないのに…。


もしかして…こないだの、あの言葉は、本当…なの?

だとしたら、キチンと断ればよかった。



あたしのせいで…広田先輩と川島先輩が別れることになったんだ。



あたし、サイテーだ。


川島先輩に、謝らないといけない。


「待って」


「鈴香…」


平間 鈴香。

クラスメイトであたしの親友。


「よけいこじらせるコトになるよ。ただのケンカじゃないから」


「謝ったら、ダメなの?」


「今は…そっとしておくのが一番だから…」



「…ありがと…鈴香」


あたしは…鈴香の言ってる意味がよく分からなかった。


でもきっと、鈴香の言ったことはあっている…と思う。



切なく真剣な目をした鈴香の言ったことは……。