〜渉side〜 ついにこの時がきた―――― 放課後のこの教室は誰もいなくガランとしていた。 杏は来てくれるだろうか……… オレの気持ちを受けとめてくれるだろうか……… 不安は募っていくばかりだ。 それを落ち着かせるために頭の中で何度もシュミレーションをする。 気がつけば、もう約束の時間になろうとしていた。 「ガラガラッ」 ちょうど、その時ドアがあいた―――――