過去作品集○中編


『おっはよー!』

朝になると吉見が部屋まで私達を迎えにきた。

『おはよぉ!』

千里は元気よく答える。
私は、というと……

『おはよ……』

昨日あのまま寝れなかったのが悪いのか、どうもテンションが上がらない。

『夏乃、テンション低すぎじゃない? 寝不足?』

まったく誰のせいだと……
つか、あんたのせいだよ!

『気のせいでしょ。 ってか今日も班行動かぁ』

『お前、大丈夫? 今日は自由行動なんだけど』

そうだっけ?
やっぱうまく頭が回らないなぁ。

吉見が普段通りだから、余計に考えさせられるし。

『じゃあ千里、一緒に……』

隣にいるはずの千里に声をかけるが、千里はいない。
ってか千里も吉見もいないし!

『……先に行かれた……』

本当、吉見って意味不明……


走って何とか追いつくと、すでに昨日の班で出掛ける準備をしていた。

『ほら。 夏乃も行くよ』

当たり前のように手を差し延べる吉見に、心臓がバクバクとうるさい。

きっと昨日抱きしめられた感触が消えないからだ。

鳴るな心臓……



『あー… くっそ暑い!!』

と、少し間を開けて吉見が叫ぶ。
そんなふうに騒がれると余計に暑苦しいよ。

『あ~……眠い』

寝不足だし、今日も吉見が一緒だし、体が休まる時がない。

吉見の鞄でブラブラ揺れるお守りも気になるし。

私も胸ポケットに入ってるけど、これが本当に吉見とペアだったらと思うと……
吉見と結ばれちゃうのかなって思うと……

あぁ。
めちゃくちゃ疲れる……