過去作品集○中編


『ねぇ、吉見の好きな人って誰だと思う?』

『え?』

放課後になって、千里が突然言った。

そういえば、吉見に好きな人がいるなんて思った事なかった。
だって冗談で私を好きだって言うくらいだし。

誰にでも優しい吉見が、
本当に優しくしたいのは……?

『私、吉見は夏乃だと思うんだよねぇ』

『ち、違うよ!』

もしそうなら「彼氏とうまくいくように」なんて言わない。

『ってか千里は? 千里は吉見が好きなんじゃないの?』

それに私は、千里を応援してるんだから。

『私? カッコイイとは思うけど、まだ恋愛対象じゃないなぁ』

『え……?』

恋愛対象じゃない?
私、てっきり……

《~♪~♪》
と、突然ポケットの中の携帯が大きな音をたてた。

『知らないアドレスからだ』

受信したメールを、恐る恐る開いてみる。

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from yoshi.com@XXX--
 sub 吉見だよ(^∀^)ノ
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 一緒に高山行くならア
 ドレス知ってた方が都
 合いいだろ?
 登録しといてェ(o^3^o)

    -END-

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メールを開いた瞬間にドキリとした。

『何でアドレス知ってるの?』

誰から聞いたの?
クラスの男子は、私のアドレス知らないのに。

体が浮き上がるような、そんな感じ。
鼓動が早くなる。

千里じゃない。
だって千里は私とずっと一緒にいるもの。

一体、誰が教えたの……?