過去作品集○中編


班も決まり、目的も決まった私達は、机をくっつけて詳しく行き先を話し合った。

各自にくばられたパンフレットには、観光スポットが数多く特集されていた。


『俺、高山って初めてなんだよね』

と、何の前触れもなく吉見が言った。

あー。
だからあんなに、はしゃいでたんだ。

『吉見、サルボボって知ってる?』

プリントの裏に、私なりにサルボボを書いてみせる。

『何それ。 有名なの?』

『頭巾かぶった赤い人形だよ。 今は沢山、色があるみたいだけど』

と、大西くんがスッと会話に入ってきた。

『サルボボの衣装着けたキティーとかもあるよねー』

今度は天野くんが……

『うん、いるいる!』

なんだ。
二人共、話してみたら気さくで話しやすいじゃん。

これなら、遠足も楽しめるかも……









『班、一緒にするのokしてくれてありがとう』

5限目の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時、吉見から思いもしなかった言葉が出た。

ってか、こんなに素直に言われると文句言えないじゃんか。

『別に、千里以外はまだ誰と組むか決まってなかったし』

これじゃ、私のほうが素直じゃないよ……

『よかったぁ。 ってか、いい事を教えてあげようか?』

「いい事」と言って吉見が出したのは、さっきの授業でも使った観光ガイド。

『ほら、ここ』

指を差した所は、古ぼけたお寺。

『ここがどうかした?』

『縁結びの神様なんだって。 彼氏とうまくいくように』

なんだ。
吉見には何でもバレちゃうんだ。

私が落ち込んでる事もお見通しってわけね。

『ありがとう』

誠の事で不安がってるって、気づいてたんだ。

でもいつまでも吉見に頼ってられないなぁ。

2ヵ月に一回の席替え。
その時は刻一刻と迫ってるんだから……