こんな言い訳聞きたくなかったの。
だって……
『つか、亜由美が泣く意味わかんねぇから……』
『だって……』
ほら、涙が止まらなくなるから……
だから聞きたくなかったんだよ。
『同情とか勘弁してよ』
『同情なんかじゃ……』
『じゃあ、「好きだから」とか言っちゃう?』
何でそんな事言うの?
私は、同情なんかしてないよ。
『可哀想とか思ってんだろ!? そう思ったら、もうそんなの愛情じゃねーんだよ』
『そんな……』
『そういう同情みたいなのが、一番要らない』
二度目に言われた「要らない」は、私自身じゃなく、私の気持ち。
達也に笑ってほしい。
達也を幸せにしたい。
その気持ちを否定されてしまった。
『同情なんかじゃ、ないんだよ……』
『もういいって。 ほら、帰るぞ』
さっきまで小さかった歩幅が、少しずつ大きくなる。
小走りじゃなきゃ、追いつけないくらいに……
また達也が遠くなる。
そう思ったら、また涙が止まらなくなった……

