過去作品集○中編


一泊二日の遠足が終わり、また日常が始まる。

と、思った矢先の出来事だった。

『ふっざけんなよ!!』

三階の廊下から校内中に聞こえるような怒鳴り声。

それが誰かなんて、すぐにわかった。

『何でもテメェの思い通りになると思ってんじゃねぇよ!!』

よく聞き慣れた、吉見の声だったから……

喧嘩の相手が誰かなんてわからなかったけど、
いつも笑ってる吉見の怒った声が、いつまでも耳に残ってた。




『はよ……』

喧嘩を終えたのか、教室に戻ってきた吉見は、誰から見ても不機嫌そう。

ってか、隣の私って、超気まずいんですけど!!

『す、すごかったね、喧嘩……』

何とか笑顔を作り、吉見に声をかける。

『ああ、聞いてたの』

『あ、いや、うん…… 少し』

だって、教室まで聞こえちゃったんだもん。

『三階って事は、相手は三年生だよね?』

『まぁ、大した事じゃないよ』

大した事ないはずない。
だって、あんな吉見初めて見たよ。

何だか少し怖かったもの。

ってか先輩相手にあんな喧嘩して、大丈夫なのかな。
睨まれたりしないのかな。

『夏乃。 やっぱあの告白、取り消さないで』

……え?

『夏乃を好きだって気持ちは、彼氏に負けてないと思うから』

そんな急に言われたって……
困るよ……