「遅れました!!」



「はぁ。よかったわ。」



メイド達の間から安堵の声が聞こえてくる。



「お嬢様。こちらが今日の朝食です。」



「ありがとう。」


うまっ!


美味しい~♪



さすが一流シェフ。



そうなんです。



この家、贅沢なことに各国の一流シェフが集まっているのです。



「じゃあ、行ってきます!」


「行ってらっしゃいませ。お嬢様。」


毎朝恒例のお見送り。



メイド全員がお見送りしてくれる。


そして今日はそのなかにお父さんがいた。



「頑張って来い。」



お父さんがお見送りしてくれるのは初めてだ。



「行ってきます。」


あたしはそう言い残し家を出た。