司SIDE


パシャパシャ


カメラの音が響く。


『いいね~もっと動きをつけてみようか』

「はい!!」


俺はカメラの前に立ち、

ポーズを決めている。


『本当に君は優秀だよ、初めてとは思えないくらい、表情も柔らかいしね』

「ありがとうございます」

『君はきっと人気のモデルになれるよ』


カメラマンはそう言い残して

休憩時間になった。


『司くん』


あの時のオッサンだ。


「はい?」

『来てくれて本当にありがとう。』

「いや、お礼はこっちですよ」


あの時のオッサンは

この事務所の社長だった。


『君を是非うちの事務所に入ってもらいたいんだが・・・』

「もう少し時間をくれませんか?」

『・・・分かった』


俺には早すぎるかもしれない。