禁断の恋


「全て流れていけばいいのに。」


涙と一緒に

弱虫なわたしも一緒に流れていけばいいのに。


「姉貴!!!!!!!!」


司が現れわたしに駆け寄る。


「皿?!ケガは?!?!」


さっきまで握っていた包丁には

わたしの血が付いている。

そう、さっきわたしは自分の手首を

左手首を切ってしまった。

いわゆる、リストカット。


「この切り傷自分でやったのか?!」


頷くことも返事を返すことも

なにも出来なかった。


「何やってんだよっっ・・・」


司はわたしの手首を手当てしてくれた。

別にしなくてもいいのに・・・


「姉貴何があった、何が起こった、言え。」


怒っていた。

手首を掴む腕が震えていた。


「別に何も無いわよ」


俯き小さな声で返事をすると、


「姉貴、優輝と別れろ。」

「え??」


あまりにも突然で、

あまりにも真剣で、

司がわたしの顔を両手で掴み、

正面を向かせる。