頭が真っ白な中、
早くご飯作らなきゃ。
そう焦りが出てしまった。
「何からすればいいの・・・」
することさえも忘れてしまった。
「とにかく何かやらなきゃ・・・」
たどたどしい手つきでご飯を作る。
包丁を握っているといくのに
手の震えが止まらない。
上手く・・・切れない。
「言う事聞いてよっ・・・」
野菜を切ろうとしたとき、
スパッ、っと自分の人差し指を切ってしまった。
「あつっ・・・」
びっくりしてしまったせいで
近くに置いてあったお皿に手が当たり、
ガシャンッッッ
大きな音をたてて割れてしまった。
でもわたしは動けなかった。
早く片付けなきゃ司が来る。
そう頭で分かっていても
切った指の血をただ見つめるだけだった。
切ったところから血がプクリと出始める。
あぁ、生きてる。
血が出てる。生きてるんだ。
血が床に落ちると
視線が下にいき、割れてしまったお皿が目に入った。
「割れちゃった・・・」
割れた破片に血がポタポタと落ちる。
白いキャンパスに赤い絵の具が広がるように。


