わたしだけが取り残された空間に
ピリリリリ
「はい」
電話が鳴り響いた。
<<亜美??>>
「うん」
<<今出てこれる??>>
「え?」
出てこれるって・・・
まさかっっ・・・
カーテンを少しだけ開けて
外を見ると
電話の相手、優輝が立っていた。
・・・さっき帰ったはずなのに。
なんで・・・
束縛されていた日々を思い返すと
いつものように手が震えだし、
涙が溢れた。
<<亜美??>>
電話越しの彼の声はいつもより
優しくて怖かった。
「ごめんっ、わたしご飯の支度あるのっ」
<<え・・・>>
「ごめんねっ今もう火もつけて・・・」
必死に言い訳してるわたしを見抜いてるいるような
見透かされていたらどうしよう。
<<分かったよ、俺の方こそ忙しい時間にごめんな>>
「うん」
携帯を閉じて電源を切る。
もう鳴らないで。
もう鳴らさないで・・・


