「亜美、白馬乗るでしょ?!」
「うんっ」
優輝には2文字の返事しか出来ない。
余計なこと喋ったら本音が出そう。
出ちゃうから。
司のこと話しちゃいそうだから。
それからいろんな乗り物に乗って
いろんなことを話して。
いろんなものを食べた。
「亜美、そろそろ帰ろうか」
「うん」
手を繋ぎなおして歩き出す。
「今日は楽しかったよ」
「わたしも」
「また行こうね」
「うん」
楽しいなんて心の底から思えない。
作り笑いばかり浮かべてる自分がいる。
なんて醜い自分。
「じゃ、」
家まで送ってもらい、
手を振り彼を見送る。
もう2度と・・・
逢いたくはない。
「ただいま」
「おかえり姉貴」
司の声を聞くと
涙が出そうになってしまう。


